39/刑法第三十九条 1999
ある殺人者が精神鑑定でいわゆる二重人格と診断されるが、その診断は鑑定者の助手により反論が出て、法廷で再鑑定が行われる。殺人者の真意と過去は・・?
刑法第1編 総則
第7章 犯罪の不成立及び刑の減免
第39条(心神喪失及び心神耗弱)
1 心神喪失(しんしんそうしつ)者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱(しんしんこうじゃく)者の行為は、その刑を減軽する。以下ネタバレ含む。
『刑法39条にナイフを突き立てたかった』
犯人柴田のラスト近くでの台詞意訳。また、映画のテーマでもあったのだろう。
お話としては、柴田の隠された過去、精神鑑定、再鑑定、助手の小川の役割、、とよくできていたのではないか。
映像とボソボソ話す登場人物、雰囲気は暗かった。半分くらい何を言っているのかわからなかったし、登場人物それぞれに癖がありすぎて鬱陶しいくらいだったかな。枝が多すぎたというか。
全ての発端となった最初の殺人事件の犯人(未成年)は、精神鑑定のおかけで無罪、入院となったが、半年で寛解したとして退院した。その後は普通に生活、成人して結婚もして暮らしていた。それが被害者遺族の人生を滅茶苦茶にしてしまった。
犯人への復讐と39条の意義を問う周到な準備・・理不尽な事件・判決のせいで彼こそが最大の犠牲者になってしまったように思える。
せっかく生きていても悲しみと憎しみに支配されていたのだろうから。
堤真一の舞台ぽい雰囲気が重さを緩和してたようにも思う。辛さよりも計画を完遂する意志を前面に出したのか。
鈴木京香、ほぼすっぴんだったそうな。
弁護士役樹木希林、検事役江守徹、刑事役岸部一徳、彼らにあそこまでキャラ立たせる必要はあったのか。
まとめ。
時間がない中で見たせいか、印象が薄い感じ。かといってまたゆっくり見ようとは思わない・・な。テレビでやるなら見るかも。(テーマがテーマなだけにやらないだろうけど;
<追記>
発端の殺人事件の犯人が精神に疾患がなかったのに39条が適用された、と見る向きもあるようだが、彼は間違いなく精神疾患があって、無罪にした挙句半年で退院させたのがおかしかったのだと私は解釈した。
とか言って辻褄とかわけがわからなくなってきた。。。
ちなみによく話題になっていた41条。
第四十一条(責任年齢)
十四歳に満たない者の行為は、罰しない。 以下は映画とはあんまり関係なし。
感想を書くにあたり、私は人様のレビューを見て回るんだけど、この映画のレビューで多かったのが「暗い」「重い」。
私は暗いとは思ったけど、重いとは思わなかった。もっと重かったり救いのない映画ってフィクションでも他にあるし、現実に起こった事件でもっと辛くて痛い話がたくさんある。現実と比べてもしょうがないだろーと言われるかもしれないけど。
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